日本橋室町で味わう煮魚
2024/04/16オルターナティブインベストメント
2024/05/22
=海外投資=
世界の人口と食料と投資
海私の記憶では第2次オイルショックのころ、日本の人口が増え続けることにマスコミは警鐘を鳴らしていました。このまま人口が増えれば、石油はもとより、家や食料、交通機関、学校など全ての面での供給が不足すると思われていました。どうやって人口を押さえるかが真剣に議論されていました。今、日本では「少子化」だとマスコミは警鐘を鳴らしています。日本国がなくなるかのごとく、どうやって人口を増やすかが真剣に議論されています。もう生むなと言ったり、もっと生めと言ったり、まあ手の平を返すように論調が変わるものです。
地球規模で人口を見てみると、世界の人口は61億を少し超えたところで、このあと20億増えて81億人になると報じられています。そして、中国やインドなど大国の人口増加が問題となっています。インドは、毎年1.9%、中国は1%と見られていますが、その土台の数字が10億単位なので、その実数は大変なものです。
ところで、国民の人口が増える割合から世界の国々を見てみると、今後数十年で300%の増加が予想されるエチオピアは群を抜いています。その他に、パキスタン、バングラデッシュ、カンボジアは50%増加するとみられています。国民の数が5割増えるといったら大変な変化です。
そして実数はもっとあると推測されています。日本のように全国規模で綿密な国勢調査などがないそれらの国々において、正確な人口を把握するのは不可能なのです。公表されている人口を疑う必要があります。例えば、カンボジアの首都の人口は推定170万を超えるといわれていて、この5年で2倍になっています。タイのバンコクでも、ガイドブックには人口600万人と出ていますが、実際には800万人とも1000万人とも言われています。行ってみるとわかりますが、現実、人だらけで、推定800万人というのはまんざらでもなさそうです。
人口が増えると必ず問題になるのが食料です。20年後に地球上に81億人とか100億人となったとき、果たして食料を輸出できる国は世界に幾つあるでしょうか。今エネルギー関連の国が注目されていますが、今後は食料が豊富な国が注目され、投資あるいは住むのにも手堅いのではないでしょうか。そんな見地から考えると日本の人口減少は、国として明るいニュースとも思えます。日本の人口が6千万人位になれば、日本は十分自給自足できる国になるでしょうから。ただ、問題は、我々を養う十分な若人がいないので、自分の老後は国や他人ではなく、自分で養わなければいけないことです。人口減少が危機だと騒ぐマスコミは何と利己的なことでしょう。
さて、投資家の見地からこの食料問題を考えると、まずどうしたらいいでしょうか。自家菜園の農園を買うのもいいでしょうが、とりあえず出来ることは、自分のポートフォリオに株や債券などばかりではなく、商品先物へも分散して投資を振り分けることでしょう。例えば、株と商品が違うのは、「株」は机にしまっておけて、すなわち需給関係の操作が容易なのにくらべ、商品、例えば「とうもろこし」は消費されて常に一定量がなくなり、また産出されることです。基本的に需給関係の「操作」は株よりも透明です。実は昨年来、ある商品先物に投資をするオフショアファンドをモニターしていますが業界の中では評判が中々のようです。