老後の資金
2024/04/04海外口座
2024/04/09
=海外投資=
ファンドマネージャーの素顔
世界には数千のヘッジファンドがありますが、ジョージソロスなど一部のマスコミに登場している運用者を除いては、世間一般の人には知られていない運用者ばかりです。なぜ、ヘッジファンドの素顔はほとんど知られていないのでしょうか。
まず、ヘッジファンドには広告規制があります。従って新聞やマネー雑誌に広告を載せることはありません。ある程度投資に慣れた人を対象としています。手取り足取りという投資家向けではありません。故に一般の人が目にする機会があまりないのです。
さらに、ヘッジファンドは目的がはっきりしています。大きな表札を掲げたオフィスを構える必要もありません。ヘッジファンド運用者の目的は、彼らを信じて出資してくれたパートナーに対して最大限のリターンを還元することであり、そして自分の成功報酬を最大限にすることです。彼らは別に一般の人の間で有名になろうとは思っていません。
一般の投資信託、ミューチュアルファンドなどは、運用者が受け取る報酬は総額の数パーセントと規定されています。従って、儲ける為には、当然総額を大きくするしかなく、小額でより多くの投資家を募集しようとします。集まれば集まるだけ安定した収入が保障されるからです。投資家の数は多い方が一人の解約の影響が低くなるので、わざと最低投資額を低くして数を増やそうとする訳です。専門誌に綺麗な広告を載せ、それらしい名前、例えば古代ローマの偉人や剣豪の名前などをつけ、いわばイメージ戦略で投資家を集めます。運用者の報酬は、運用の成否に関わらず一定額のサラリーマンスタイルです。彼は、決してその道の達人ではありません。彼の気にすべき指標はインデックスなどのベンチマークだけです。酷いファンドになると自分の系列のファンドや系列会社株などの売買ばかりをし
ます。彼の優先順位は、会社、自分、そしてお客です。その証拠にファンド運用者が自分のお金を自分の運用ファンドに投資するケースはほとんどありません。
ミュチュアルファンドと比べてヘッジファンドの運用資産額は大きくありません。世界には数千のヘッジファンドの内、運用資産が数十億ドルを超えるのは、10社程度です。ほとんどが小規模です。なぜなら、一定額以上の資産規模になると運用効率が落ちてしまうのを彼らは知っているからです。一定額の運用資産があればいいのですから、なるべく少人数の投資家を好む為、最低投資額のハードルを高くする運用者も少なくありません。ヘッジファンド運用者は、自分の運用手法に自信を持っているので、自分の資金をつぎ込むことが少なくなく、投資家と運命共同体スタイルです。彼の優先順位は、お客と自分であり、会社などいわゆるバックオフィス経費は極力押さえ、その分収益にまわそうとするのは当然のことなのです。
世界の経済状況に対応して投資手法は替えていくことが望ましいと思います。いつもヘッジファンドが絶対というのではありません。ただ戦いをするのに、手だけを使うルールで行うのと、手も足も果ては武器もOKというのとでは、有利不利は歴然で、全く戦い方が違ってきます。リスクを考えれば、手だけの戦いならひどくは傷つかないかもしれません。武器を使う戦いには死というリスクもつきものです。投資家はそのリスクのコントロールを学び、ヘッジファンドの世界にも是非挑戦してほしいと思います。
最後に私見ですが、一つ私が絶対的にヘッジファンドが有利だと思う点は、その報酬スタイルです。人間の本質を突いている点では明らかに優れていると思います。